「俺知ってるから、先輩んち。お前のお母さんには、学校に忘れ物したから取りに行くって言ったから。ほら、早く。」 「え?ちょっと、待って。」 戸惑っている私を見て、さとブーは笑顔になる。 「大丈夫。きっと、もらってくれるよ。」 さとブーは私の腕を掴んで、部屋を出ようと促した。 もう、引けない。 私は電気を消して、部屋を後にした。