そんな顔しないでよ。


私は渋々歩き出す。

インターフォンを押すふりをして、いなかったと戻ればいいや。


そもそもこれは…。

私は、手の中にある包みを見て、ため息をついた。


重い足取りで、先輩の家の前に着く。

ふぅっと、息を一つ吐いて、インターフォンのボタンに指をのせた。

その時、ガチャっとドアがあく。



うそっ!

中から「いってきます」の声。
高木先輩が出てくる!


インターフォンから、指を離して、包みを背中に隠した。