……話す。ね。
そんなもん出来てたら苦労しないっつーの。
好きだと思ってるっつーの。
先輩は遠すぎるから。
だから見てるだけで幸せな存在なんだよ。
昼休みに奈緒言われたことを美華はぼんやりと思い返す。
話はあのあとチャイムで遮られてしまったのだ。
好きってなんだろうな。
Skyとは違う。
Skyはファン。
小倉先輩は……?
「全然、分かんないよ……っ。」
「おー、星野。そりゃ分からないだろうな。先生の話も聞かずに窓の外ばっかり見てればな。」
「あ……。」
教室に笑いが起こる。
声に出してた。
美華はやってしまったーという表情を浮かべた。
「じゃあ、次106ページから読んで。」
「はい、すみません。」


