彼は部屋にいない もう明るくて元気なふりをしなくていい 最後に思いっきり泣いていこう 泣き虫で気が小さいくせに嫌われるのが怖くて 物分りのいい素振りをしていたわたしは 彼に本当の自分を見せていなかったことに 初めて気づいた そうか 受け入れなかったのはわたしだ 彼は不満だったのかな 寂しかったのかな 二人の間の見えない壁が彼には見えていたのかもしれない