無事着陸し、ゲートを通り過ぎた時 コートのポケットの中の携帯が鳴った 彼からのメールだった 「ごめん。ありがとう。幸せだった。」 多くを語らないことが優しさだと 勘違いしている 彼らしい単語が3つ並んだだけの 短い短いメッセージ 相変わらずの中途半端さに呆れて 笑いがこみ上げてきた それでもわたしはこれからしばらくの間 時間の無駄だと承知しながら 彼を好きでいるのだろう 目の前の現実には小さな光の一点すら見えない