初恋電車~Your and my distance~

『良かった…

起きてくれた』

ひとの良さそうな笑顔を見せる通りすがりの男子高校生

「…あれ?

ここ電車ですよね…?」

『ぶっ!』

いきなり吹き出したイケメンさん

そして、肩を震わせて笑っている。

「…なっ

なんなんですか!」

『だっ…てっ…くっ…くくっ』

(笑いこらえられえませんけど…)

しばらく笑った後

やっとおさまったのか

私の目を見た。

(涙目…

どんだけ笑ったの…?)

『あのね

俺は、いつも通りにこの電車に乗ったの。

そしたら、君が寝てたの。

俺は、気になって君の隣に座ったの。

そしたらさ

すんごい勢いで俺によかかってきたの。』


「誰が…?」


イケメンさんは私を指差して

『君

だって、この車両には俺と君しかいないよ。』

あたりを見回してみたら

たしかに私とイケメンさんしかいなかった。