「誰…?」

寝ぼけたままで問いかける。

『うーんとね…

通りすがりの男子高校生かな?』

(ふーん…

…ん?)

寝ぼけた頭をフル回転させた。

(なんで通りすがりの男子高校生の声が耳元でするの?)

『…いつになったらどいてくれるのかな…?』

(…どく?)

恐る恐る声のする方を見ると…

パッチりとした二重

黒い瞳

スッとした鼻

薄い唇

ワックスでしっかりとセットしてある茶髪

いわゆるイケメンの整ったお顔が私の顔の間近にあった。

「…っ!!」

びっくりして、勢いよく後ろにとんだ。