メガネの私は好きですか？

「……ありがとうございます。」



声からして、有馬が拾ってくれたのであろう。


元はといえばこの男の所為だけど、私が仕出かしたミスだから素直にお礼を言って受け取ろうとしたら視界から物体が消えた。




「……えっ、飯田さん？」



代わりに降ってきた有馬の驚いた声。


「何……、メガネ返して下さい。」


とにかく不快だ。
１秒でも早くこの場を去りたい。


そう思っていたら、ふいにクリアになる視界。


どうやら、メガネを掛けられたらしい。


かと思ったらまたボヤケる視界。