「あの……有馬くん。」
「ん……えっと、飯田さんだよね?オレに何か用?」
学校の廊下で声を掛け、振り返ったのは隣のクラスのモテ男こと有馬皐月。
サラサラの黒髪に、端正な顔立ち、オマケに柔らかな物腰の爽やかな彼は確かにモテ要素が揃っているように見える。
……ていうか、私のことを知っていたことにビックリだ。
そんなことを思いつつ、さっさと要件を済ませようと口を開いた。
「あの……好きです、それじゃ。」
それだけ言い、逃げるようにクラスに引き返そうとしたら有馬に右腕を掴まれてしまった。
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