「なに、ぼっーとしてんの?」


いきなり声をかけられて

目の前に竜樹の顔がある


「うわっっ!」

つい大きな声を出してしまった。



「うるせぇなぁ...まじ鼓膜破ける」


耳を塞ぎ睨んでくる


「ご、ごめん...」


その時後ろから


「竜樹くーーん」


甘ったるい甘えたような声

これはあの子しかいないよ



「あ、鈴木」


やっぱり...



「今から移動教室じゃん?
一緒にいこっ?」


さりげなーく竜樹の腕に自分の腕を絡める


イッラーーー



なんなのこんのぶりっ子めがっ!!


「おー」


竜樹も竜樹で満更でもない感じだし!



「じゃあな、ブス」


意地悪そうにニッと笑う。

笑わないで欲しい


それ見ちゃうとまじダメなのに...


「ふんっだっ」


でも、素直になれないから

こんな風に意地張るしかないんだもん