≪記憶の欠片≫





あの雪の日、俊君のうちで美晴にはじめて会ってから、たまに練習を見にくる俊君にくっついて美晴も一緒に来る事が多くなった。



僕が俊君をお兄ちゃんと慕うように、美晴も僕をお兄ちゃんのように懐いてくれた。



「ゆーにいー頑張れー!」



可愛い美晴の声援に応えるべく、僕は張り切る。


僕は何故か、美晴が来るといつもの倍くらい張り切って頑張ってしまう。


その気持ちの名前が“恋”だという事に気付くのに、そう時間はかからなかった。


可愛い美晴。

今は僕を「ゆーにい」とお兄ちゃん扱いだけど、きっといつか好きにさせてやるんだ。