「可愛くなる?」
気になったので尋ねた。
「うん。今日の散歩の時に伊藤君の好み聞いといたんだ。そしたら、あかりの化粧はちょっと濃いんだって。だからもう少し薄くしてみよう」
雛が提案してくれだ。
確かに。
入学当初そんなこと言われた気がしなくもない。
「伊藤君、その厚化粧であかりの可愛さが半減してるって言ってたよ?」
雛がニヤニヤしながら言ってきた。
「?!」
やめてよ。
嬉しいから。
「じゃ、化粧薄くしてみるか!!」
そう言って、雛がメイクポーチから
メイク道具を取り出した。
「え?雛がやるの?大丈夫だよ。アタイ自分でできるから。」
化粧くらい自分でできる。
女の子として当たり前だ。
