橋本が莉奈を近くにあったベンチに座らせて、下駄を脱がせた。
あ、靴擦れしてたんだ。
全然気づかなかった。
莉奈が楽しそうに笑っていたので、中に割って入ることも辞めた。
その時だった。
ドンッ!
「っ!」
花火が上がったのは。
綺麗な光を放ちながら暗闇の中でも眩しいくらいに輝く花火。
その光は見ているだけ人を幸せにすると自分の役目は終わったと、儚く散って行く。
そしてまた、新しい光が暗闇で輝く。
その繰り返し。
あぁ、きっと本当だったら今頃3人でこの花火を楽しく見ているはずだったのに。
予定が狂いまくって、バラバラになってしまった。
私、結局1人で見てるし。
