馬鹿者。コッチを見なさい!!







「大丈夫か?怪我してないか?」









心配そうに顔を除きこんでくる学を見ると、一気に涙が溢れ出した。









「学うぅ!!なんでぇ?!」







「うわっ!どうした?!ごめんって!」







学はなんでアタイが泣いてるのか意味がわかってない。







「さっきの清水奈々のことは、違うんだよ。お願い。信じて?あっちから来て、振り払おうとした時に、田中達とバッタリ会って……」








違うんだよ。






それもあるけど。






「怖かったあ!!学が来てくれて良かったよ!」








あんなこと言っといて本当は怖くて仕方なかった。







「だろうな。あんなやつ来たら俺だって怖いもん。」







そう言って、学は笑った。







笑いながら、アタイの頭を撫でてくれた。






少しでも落ち着くように。






アタイはその温度が心地よかった。