花火大会がある河原に着いた頃、
私は足に違和感を覚えた。
なんだろう?
靴擦れかな?
でも、この下駄は3年くらい前から履いているから、慣れてるはずなんだよなぁ。
「あれ?鈴木じゃね?」
名前を呼ばれ、ふとその方向を見る。
「え?!なんでいるの!」
見るとそこには、金色の髪をした男が立っていた。
隣には、そんな金色の髪とは正反対の黒髮に眼鏡をかけた伊藤学がいた。
私の知り合いで金色の髪なんて、1人しかいないわけで。
「久しぶり!何?浴衣じゃん。」
橋本大河。
入学早々ガラスを割ったと勘違いされたヤンキーっぽい秀才。
「うん。橋本と伊藤君も花火大会見に来たんだね。なんか以外。」
「俺らだって花火くらい見るよ。」
伊藤君が笑った。
すると伊藤君はあれ?と言って
「田中と吉川は?鈴木1人?」
え?
