田中はその場へ崩れ落ちた。
「……な…迷子なんて…ありえない。このウルトラスーパーキュートなアタイが迷子なんて……」
………いや、いくら可愛くても迷子とは関係ないと思うな…
「……じゃあ、どうやって戻るの?」
「それがわからないから迷子なんだろうが」
とりあえず、何処か目印になるような物を探すか。
でもやたら動くと危険か?
熊とか出たらどうする?
虫だってたくさんいる。
中には危険なものだって。
俺らの今の格好はジャージだ。
最悪、このまま夜になったら、寒いだけでは済まないだろう。
山の中だ。
夜の気温は急激に下がる。
その前にはなんとかしてここから出て、宿舎の方へ行けたらいいが…
心配なのはこいつだ。