「ねぇ。今朝あんたが西園寺様の車から出て来たって凄い噂になってるんだけど本当なの?」
「一体、西園寺様の何者?」
いきなり婚約者にされてここに連れてこられました。なんて言うと怒られそうだな……
なんて思いながら考えてみるけど友達でもなければ勿論、それ以上でもない。
「どうせ玉の輿狙ってるんでしょ?
でも、そうは行かないわ。」
「私達はね、あなたとは違って今まで努力をしてきたの。
美容にも、身に付ける物全てにも沢山のお金と時間をかけてきたの。」
「西園寺様に釣り合うようにずっと努力してきたの。」
「それなのに、いきなり現れたあんたが西園寺様の隣に居るなんて許せない。」
私は囲まれて怯えるどころか西園寺の中身を見ようともしない彼女達にイライラしていた。
「何とか言いなさいよ。」
「…………本当、西園寺の言った通りだわ。」
私はゆっくりと立ち上がりながら彼女達を睨む。
「は?」
「話を聞いてたら、あなた達が興味あるのって西園寺じゃなくてその後ろにある肩書きだけじゃない。」
「そ、そんなことないわよ!」

