「自分の婚約者を抱きしめて何が悪い。」
そんな言葉が頭の上から聞こえてくるけど、納得できる内容じゃない。
だから、婚約者じゃないって何回も言ってるのに…………
「いいから唯那は俺の隣に座ってろ。
昔から俺の隣に座れるのは唯那だけって決まってるんだよ。」
え?今何て言った?
昔からって?
色々と聞き返したかったけど、今の西園寺は不機嫌そのものだったので敢えて何も言わなかった。
「それかこのままの体勢でずっと居るか?
俺的にはこっちのほうが嬉しいんだけど。」
西園寺の不適な笑みで我に返ると、私の体勢は西園寺に抱き締められたままだった。
それに気付いて顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。
「ちょっ……嫌に決まってるじゃない!」
私は急いで彼から離れて出来るだけ壁に引っ付く。
すると、西園寺は何故か笑っている。
「ちょっと、何笑ってるのよ。」
「いや、可愛いなぁって思って。」
「何言ってるの!私は可愛くないから!」
「いや、だからそういうとこが可愛いの。」
何て言い合いをしていると、いつの間にか鵬龍学園に到着していた。

