「そう。唯那ちゃん。
将来、大きくなったら僕のお嫁さんになってくれる?」
唯那も”お嫁さん”の意味は分かったらしく顔を赤らめた。
「……龍くん」
5歳の唯那に気持ちを伝えるのは早いのかもしれない。
でも、どうしても今言わないと後で後悔しそうだったから恥ずかしい気持ちを抑えて君に気持ちを伝える。
「これ、まだ大きくてつけれないんだけど……
大きくなって、僕の持っているこの指輪が唯那ちゃんの左手の薬指に入るようになったら僕と結婚してください。」
俺は右手を出して頭を下げる。
これが5歳の俺の精一杯のプロポーズだった。

