私はびっくりしたまま思わず目を閉じる。


「え、ちょっと何?」


私はいきなり視界が真っ暗になったことに驚いて身体をじたばたする。


それでも、西園寺の手は離れようとはしなかった。


「いいから。…目を瞑ったまま、ちょっと前に歩いて。」


目に当てられていた手は離され、変わりに私の両手を握られたことは感覚で分かった。


私は指示された通りに目を閉じて、西園寺のゆっくりとした歩幅に合わせて一歩一歩前に進む。


胸を大きく高鳴らせて……………