そして、西園寺の両親が来日する日。


「唯那様、ドレスはここに置いていますからお着替えください。」


そう言って神谷さんに渡されたドレスは水色の露出が少ない可愛らしいドレスだった。


「ありがとうございます。
これ、神谷さんが選んでくれたんですか?」


「いえ、これは龍我様がお選びしたものです。
ですから、お礼は龍我様に。」


「…………西園寺が?」


西園寺が選んでくれたと聞いて嬉しくて、思わず笑みをこぼしてしまった。


ドレスに着替え終わると、西園寺家の専属美容師の方に身なりを整えてもらった。


こんな格好をするなんて、やっぱり高級ホテルとかで会うのかな?


「唯那、準備出来たか?」


そう言って入ってくる西園寺は、黒いスーツを身にまとっていてその姿はとにかくかっこよかった。