「ねぇ、今何て言った???」


西園寺家の食堂で向かい合いながら朝食を取っていると、西園寺からの思いがけない言葉に思わず聞き返してしまった。


「だから、今度の休みに親父とお袋が日本に帰ってくんの。」


西園寺の両親って、西園寺財閥の会長様と奥様ってことよね?
確か、ずっと海外で仕事をしてるって言ってたよね?
日本に来るということは、私も挨拶するってことだよね?


私なんか庶民だし、西園寺と釣り合ってないしやっぱり反対されるよ、きっと!


「そこで、唯那を婚約者として紹介するから。
…………って、ビビってんのか?」


頭の中で色んな想像をしている私の顔を読み取ったのか、西園寺は挑発する。


「そりゃそうだよ!
だって、西園寺の両親って凄い人なんだよね?
嫌われたらどうしよう。もし、婚約者を認めないなんて言われたらどうしよう。」


そう言って、一人あたふたしていると


「唯那は堂々としてろ。
言っただろ?俺が認めた最高の女だって。
だから、お前は何も心配すんな。」


「………………うん。」


西園寺が大丈夫って言ったら、本当に大丈夫な気がしてきたけど………
でも、本当に大丈夫なのかなぁ?