「ん……………あ、唯那。目が覚めたのか?」
頭を撫でていると、西園寺の頭が動いて伏せていた顔が私の方を見る。
「うん。あ、ごめん。起こしちゃったね。」
そう言うと、西園寺は首を横に振りながら大きく背伸びをした。
「唯那に頭を撫でられながら起こされるとか夢にも思わなかったからすげぇ嬉しい。」
そんなことを言われると恥ずかしくなってしまう。
「そんな照れるなって。」
「照れてないから。って、…………西園寺、外行きの格好のままだし……ひょっとして、ずっと一緒に居てくれたの?」
「あぁ。用事を済ませてからはずっとここに居た。」
用事済ませてからずっとって…………
しかも、ベッドで寝てたわけじゃないから体勢もしんどかったよね。
「ごめんね、西園寺。」
「謝るな。俺は唯那に謝ってほしくて傍に居たんじゃねぇんだけど?」
これって、感謝の言葉を言えってことだよね?
「…………ありがと。」

