唯那のお母さんは泣きながら全てを話してくれた。 俺は、ずっと唯那に会いたくて探していただけなのに、唯那はその間ずっと辛い思いをしてきたんだ。 記憶を閉ざす原因を作ったのがお母さんなんだとしても、俺にはお母さんを攻める資格などなかった。 「私は今まで唯那の為だと思って、あの子があなたの記憶と一緒にお父さんのことを思い出したら立ち直れないんじゃないかと思ってしてきたけど実際は違ってた……… 私が、全てを思い出した時の唯那を支えられる自信がなくてずっと逃げてきただけだったの。」