first love~世界で一番素敵な初恋~



文化祭当日、クラスの劇はトリなので、それまでの間はテニス部の執事喫茶を手伝うことになった。


と言っても、私だけメイドの格好なんだけど…


用意された衣装は、とても可愛いけどスカートが短くてフリフリな感じだった。


こんな短いスカートは普段履かないから、スースーする感じに慣れない。


こんな格好で人前に出て、しかも接客するなんて、恥ずかしすぎる。


私は覚悟が出来ず、裏方でじっとしていると…


「準備出来たか?」


別の部屋で着替えていた西園寺が裏に顔を出す。


「どうせ、似合わないって言いに来たんでしょ?」


と、嫌味っぽく言ってみると


「いや、すげぇ似合う。可愛い。」


両想いになってからなのか、こういう時の西園寺はやけに素直。


「俺も似合ってるか?」


と、逆に聞いてくる西園寺に


「似合いすぎだよ、ばか」


ツンデレのような感じで言ってしまう。
だって、かっこよすぎるから。

「そんなに似合ってるか?唯那に言われると、すげぇ嬉しい。」