「私に主役とか向いてないから!
他に可愛い人沢山居るんだからそういう人がやるべきだって!」


私が立ち上がって意見を言っていると、隣で呑気に座っている、この状況を作り出した張本人が口を開く。

「いい加減、観念しろよ。
言っとくが、俺は唯那が白雪姫やらねぇと劇には参加しねぇから。」


トドメを刺すような発言をした西園寺のせいで私の意見が受け入れられることなく強制的に白雪姫役に決まってしまった。


「最悪だよ、西園寺のバカ!
バカバカバカァー!!」


退院してからの久しぶりのテニス部。
私と西園寺は打ち合いをしていて、西園寺への怒りをボールに込めて打ち返す。


「お前なぁ、やる気あんのはいいけど、怒りに任せてボールを打つな!
普段から重いボールを打つのに更に返しにくいだろ!」


私は本気でボールを打ち込んでいるから、西園寺は早くも息を切らしていた。
それでも打ち返してくるから、西園寺の体力は凄まじい…………


「だって、西園寺のせいで白雪姫に選ばれちゃったんだから!
どうしてくれんのよ!」


最後は、私のスマッシュで長い打ち合いは終わった。


さすがに本気で何本も打ち込んでたら身が持たない。