「退院祝いだって言ってるだろ?遠慮すんじゃねぇよ。」


「そんな、入院って言っても検査入院だったわけで祝ってもらう程じゃないし、それに私が払いたいの!」


結局、マグカップは唯那が払った。
唯那の強情な性格は本当に昔から変わらない。
一度これと言ったら絶対。
まぁ、それが唯那の好きな所でもあった。


「西園寺、お腹空かない?」


そういえば、朝から何も食べていなかった。


「あぁ、だが俺はこういう場所にある店は入ったことねぇから分かんねぇよ?」


俺がいつも食事する場所は大抵、フレンチのレストラン。
こういうショッピングモールにあるレストランは来たことがない。


「じゃあ、私が好きなお店でいい?」


「あぁ。その代わり今度は俺が払うからな。」


女にばっかに払わせるのは俺のプライドが許さねぇ。
まぁ、今まではそんなことを考える余裕がなかった訳だからそんなことを思ったのは初めてだが。


唯那に連れてこられたショッピングモールの最上階にあるレストランの中のラーメン屋。


俺は今までシェフが作る料理しか食ったことがねぇからラーメンは初めてだった。


俺は何を注文したらいいのか分からず、唯那と同じものを注文した。