俺は唯那に連れられて、普段は足を踏み入れないショッピングモールに入っていた。
「わぁ、でかいなぁ!」
唯那の地元にはこういう施設はなかったらしく、とても嬉しそうな顔をしていた。
「でも、西園寺がショッピングモールに居るのっておかしいね。」
「うるせぇ」
唯那の笑顔は、銀座に居た時よりも輝いているように見えた。
「西園寺に任せたらいくらお金があっても足りなくなっちゃうのは分かったから、今日は私が西園寺に庶民デートを教えてあげる!」
唯那はいきなり立ち止まったと思ったら予想外のことを言い出す。
「庶民デート?」
「そうだよ。あまりお金を使わなくても楽しめるデートのこと!さ、行くよ。」
俺は唯那に引っ張られ、歩いていく。

