first love~世界で一番素敵な初恋~



この通りはブランドの店が沢山並んでいた。
こんなにあれば、唯那に気に入る店があると思ったが、唯那は立ち止まる気配がないどころか、興味も示していなかった。


「唯那、今日は退院祝いってことで何でも好きな物を買ってやる。
鞄でも時計でもアクセサリーでも何でも欲しい物があったら言え。」


そう言うと、唯那は困ったような顔をした。


「私、ブランド物には興味ないし………
それに、今は欲しい物もないから大丈夫だよ?
西園寺は欲しい物ないの?」


ブランド物に興味ない?
そんなことを言う女は初めてだった。


俺は中学の頃に何回か女と付き合ったことがあった。
元々女に興味は無かったし、唯那のことをずっと探し続けていたが、いくら捜しても見つからず諦めかけていた時に晃から女を紹介され、唯那のことを忘れるために付き合った。


だが、そいつは金目当てで街を歩けば高いブランド物をねだっていた。
だから女はブランド物をあげれば喜ぶものだと思っていた。


なのに、唯那は喜ばないのか?


「そういえば、この間東京のことを調べてみたんだけど行ってみたい所があって……いいかな?」