「唯那、照れてるのか?すげぇ可愛い。」


「ちょ、別に照れてないから!」


そう言って自分の顔を頑張って隠す唯那が可愛くて仕方ない。


「なぁ、唯那は俺のことが好き?」


俺はもっと唯那の口から好きと言う言葉を聞きたかった。


あんなに俺の婚約者だということを否定していた唯那が、俺のことを好きだと言ってくれて正直、半信半疑でもあったから。
だから、ちゃんと気持ちを聞きたかった。


「………………それ、さっき言ったからいいよ。」


唯那は顔を真っ赤にして言うが、俺は引き下がるつもりはない。


「もう一回聞きたいんだけど。」


「………え、ちょっと待って」


「待たねぇよ。」


あたふたする唯那が可愛すぎて、飛んでしまいそうな理性を必死に抑える。


「えっと…………」


唯那は諦めたのか、じっと何かを考えている。
そして…………


「好き…………」


そう言うと、俺は唯那を強く抱きしめた。