「唯那!!」
プールサイドへ着くと竜ヶ崎を中心に女が4人立っていた。
だが、その中に呼び出されたはずの唯那の姿がなかった。
まさかと思いプールの方を見ると誰かが浮かんでいるのがわかる。
「お前ら逃げるんじゃねぇぞ!」
俺は5人にくぎを差すとブレザー脱いで迷わずプールの中に飛び込む。
服がまとわりついて気持ち悪いが唯那を助けることしか頭にない。
「唯那、しっかりしろ!」
俺は唯那を抱き上げると頬を叩いて呼びかけるが反応がない。
「龍我様こちらに!」
俺は近くのプールサイドまで泳ぐと神谷に唯那を託す。
「救急車はこちらに来る時に呼んでいましたのでもうすぐで到着すると思います。」
「わかった。」
唯那が溺れていた方に目をやると、何か光るものが見えた。
もう一度潜ってその光ったものを手に取る。
それは、俺が唯那にあげた婚約指輪だった。
これで何故、唯那が溺れていたのかが分かった。あいつらがこれをプールに投げて唯那が拾うために飛び込んだんだろう。
俺は指輪を握り締めプールサイドに上がると、神谷が心臓マッサージを行っていた。目を閉じてる唯那を見ると腕がロープで縛られてるのが見えた。
こんな状態で指輪を取りに行こうとしたのか?

