first love~世界で一番素敵な初恋~




そして、コンテスト当日。
私は朝から神谷さんと和真さんの美容室へと向かい最終チェックを行ってから学校へと向かう。


正門から堂々と入るが、何故か和真さんが注目の的になっている。


「ねぇ、あの人って桐谷和真さんだよね?」


「え!本当だ!」


「美容師が来てるってことはコンテストのスタイリストとして来てるんだよね?
でも、今まで桐谷和馬に頼んだ人って皆断れてたよね?」


と、周りからコソコソ話が聞こえてくる。
何でお嬢様が和真さんのことを知ってるの?
私は不思議で仕方なかった。


校舎に入ると、体育館の近くに設置されたコンテスト参加者用の控え室に入る。
さすが、お金持ちの学校というだけあって控え室は個室となっていた。


「あの、和真さんって有名なんですか?」


さっきの噂話を聞いた私は、率直に和真さんに聞いてみる。


「………まぁ美容師として雑誌にでてるし、一応、予約は半年先までいっぱいなんだけどね。」


え、そんなに凄い美容師さんだったの?


私は、裕美のお兄さんだからというだけでお願いしたので和真さんが有名な美容師さんだったとは思わなかった。


「本当はこういうの、いつも断ってたんだけど、唯那のことは昔から知ってるし、それに唯那の可愛さを引き出せるのは俺しかいないから。
今年もこの学校のお嬢様からヘアメイクの依頼があったけど俺は唯那の担当になりたかったから全て断った。
俺は唯那を最高な女に仕上げる。だから、唯那は自分に自信を持ってステージを歩けばいい。
いいな?」