「……唯那、本当は跡取りのことを好きなんじゃないのか?」
「え?」
私が西園寺のことを好き?そんなこと、考えたことがなかった。
「その様子だとその、跡取りのことを好きだけど認めるのが怖い。違うか?」
「ち、違うよ……」
「唯那は頑固なとこがあるから、無理矢理自分の気持ちを押し込んでいるだけじゃないか?
もうちょっと素直になることだな。
ま、相談ならいつでも乗ってやるから。」
「和真さん……」
和真さんが勢いがあるからか、私は何も言い返せなかった。
「そういや、その跡取りも今回のコンテストに出るのか?」
「……そうだけど?」
「さっき、神谷さんに聞いた話だけどそのコンテスト、優勝した男女がデートしないといけないらしいな。」
「えっ?そうなの?」
それは初耳だ。優勝したら特典があるとは聞いていたけど、まさかそれが優勝者同士でデートをするなんて思いもしなかった。
「あぁ。しかも跡取りは去年の優勝者なんだろ?
だから絶対に優勝してデートしてもらわないとな。」
そこまで知ってたなんて………ていうか、和真さんの方がやる気あるような気がするんですけど!!

