first love~世界で一番素敵な初恋~



コンテストの出場は……嫌だけどやるからには中途半端にはしたくない。
ということで放課後、西園寺が生徒会で遅くなった私は部活を休んで執事の神谷さんに電話をする。


事情を話すと神谷さんは快く許してくれた。


私が神谷さんに話した事情……とはコンテストの時にお願いする美容師のことだった。
実は、前の高校の親友である裕美のお兄さんが東京で美容師をしていて裕美に電話したらお兄さんに頼んであげると言われ……


そして今日、お兄さんからOKの返事をもらったのだった。


裕美のお兄さんは私が小学生の時に裕美の家で遊んでいたし、それからもちょくちょく相談に乗ってもらったりしてたけど、美容師になってからは東京に居るのでそれから会う機会はなかった。


でも、こういうヘアメイクはやっぱり自分の知ってる人に頼みたくてお兄さんに頼んだ。


それを神谷さんに話すとお兄さんの居る美容室に行くのは了承してくれたが、西園寺の婚約者なので一人には出来ないとずっと付き添うというのが条件で許してくれた。


「お兄さん!」


お兄さんが休憩しているときに美容室を訪ねる。


「お、来たか。久しぶりだなー、唯那。
知らない間にこんな大きくなって……」


お兄さんは雰囲気が大人っぽくなっているだけで、昔からかっこいいのは変わらない。