first love~世界で一番素敵な初恋~



今日は西園寺のお陰なのか、全国大会初戦を緊張することなく、自分の実力を充分に出し切れる状態で対戦し見事突破。


それで、弾みがついたのか気付けば準決勝進出を決めていた。


試合が終わり、皆が居る所に戻ると準決勝進出を祝福してくれる。


「お!唯那。試合ちゃんと見てたぜ。準決勝進出おめでとう。」


と、レギュラーの皆が準決勝進出を祝福をしてくれる。


「ありがとう。」


私はラケットをベンチに置くと、クーラーボックスの中からドリンクを取り出し一気に飲む。


この炎天下の中での試合はただでさえ水分が無くなる。
試合ごとの水分補給は欠かせなかった。


他の皆は既に敗退したらしく、他の部員の皆と一緒に応援に回っていた。


「西園寺の試合はどうなったの?」


西園寺は私の試合と同じ時間帯に別のコートで試合を行っていたので私は彼の結果を知らなかった。


「あぁ、龍我もさっき準決勝進出を決めてそこに居るよ。」


晃くんの指差す方には呑気そうに座っている西園寺の姿があった。
今から全国大会の準決勝だというのにこの男はどうしてここまで余裕でいられるのか不思議で仕方ない。