その言葉にレギュラー全員と応援に来た部員の皆がしっかりと頷いていた。
「俺たちは唯那が優勝してくれたから唯那に秘密でミーティングをして、今までの練習を変えて全国大会個人戦の一回戦敗退を当たり前だと思うことを止めて練習してきた。
個人戦でも、いい結果を残したい。そう思うようになったんだよ。」
普段はチャラい今宮副部長も真剣な目をして話している。
こんな今宮副部長を見るのは初めてだった。
「今回は、玉城と今宮と俺の3年レギュラーしか全国大会出場出来なかったが、俺たちはもう、やる前から諦めようとは思っていない。だから、唯那には自分を責めたりしないでほしい。
また、優勝して俺たちに希望を与えてほしい。」
いつもは大人しくてあまり喋らなかった沢木さんまで……
「島崎先輩、また優勝してください!
俺たち、学校は違うけど先輩のこと応援していますから。」
「先輩、今まで本当にありがとうございました!!」
一年生の皆は全員で感謝の意を込めて頭を下げてくれた。
「……感謝をするのは私の方だよ。
皆が支えてくれたから、今の私があるんだからぁ……」
私は涙で顔がぐしゃぐしゃで言葉もちゃんと言えない。
言いたいことも全部言えていない。その様子を西園寺が見ていたことには気付かず、私はレギュラーの皆や他の部員の皆に抱きしめられて泣いていた。

