「唯那の相手を出来るのは俺だけだからな。
いくら晃が相手でも唯那のサーブはそう簡単に打てるもんじゃねぇ。」


現れたのは生徒会の仕事を終えて来た西園寺だった。


「でも今のサーブはこの間の練習試合で打ってなかっただろ?勢いが全然違う。」


「これは、調子が良くないと打てないサーブでそんなに何回も打てるものじゃないから。」


どんなに強い人でも常に調子が良いとは限らない。


これは、本当に調子が良い時でないと打てないサーブだった。


「…………そうか。」


部長が来ると全員が号令をかけられる前に集合する。


「知ってる者もいるかもしれないが、今日からこのテニス部で練習する島崎唯那だ。
唯那は去年の全国大会覇者で今年も全国大会出場を決めている。」


全国大会覇者という言葉に部員全員がおぉ。と驚く。


「唯那がレギュラージャージを着ていることに納得してなかった奴も居たと思うが、これで納得しただろ?」


西園寺のその言葉に部員全員が何故か拍手する。


「唯那の紹介はこれで終わり。
今からメニューを渡すからそれぞれこなすように。以上。」