「ジャージ、とりあえず女の子だから一番小さいSを注文したんだけどちょっと大きかったかな?」
このジャージを注文してくれたのってこの人だったんだ。
「大きさは大丈夫です。
でも、私、レギュラーでもなければ正式なテニス部員でもないのに着る資格ないですよ。」
今は着る物がこれしかなかったから着ているけど、このジャージは鵬龍学園テニス部の一握りの部員が着ることを許された大事なジャージ。
それを他の学校から来た無関係の私が着るのは皆もいい気がしないと思う。
「……………唯那ちゃんの入部届けは出てるし、もう正式なテニス部員だよ?」
「でも、それだけでこのジャージを着るのは………」
「それに唯那ちゃんは今年の全国大会出場を決めてるし、このジャージを着るのに十分な資格があるよ?」
「…………………」
………………でも、本当にいいのかな?
「はい、ジャージの話はおしまい。
龍我は生徒会があるからまだ来てないけど、せっかくだし打ったら?俺、相手するし。」
「でも、私。ラケットがないから……」

