それにしてもはブカブカ…………
動きにくいことはないけど、かなり大きい。
髪の毛を纏めて、靴も用意されていたテニスシューズを履いて準備が出来るとテニスコートへと向かう。
場所は教えてもらっていたけど、何せこの学校は広いから行くまでが大変だった。
テニスコートに近付くと、ボールの音だけじゃなくて白樺学園の時にもあった女の子の声も聞こえる。
私は、その女の子達に見つからないようにテニス部の様子を見ていた。
西園寺は生徒会に居るのか、姿は見えなかったのがホッとした。
前の練習試合は一年生に教えていたから他のレギュラーの試合は見てなかったけど、改めて見ると鵬龍学園テニス部のレベルは高い。
それに部員も白樺学園の時よりも多く、テニスコートの数も多い。
まさに桁違いだった。
すると、練習中のレギュラージャージを着た人と目が合ってしまった。
「あ、唯那ちゃんだ。」
その声で私に注目が集まってしまった。
「そんなとこにいないでこっちに来なよ。」
レギュラーの一人にそう言われ、仕方なくコートに入る。
勿論、転校したばかりのくせにレギュラージャージを着ている私を見て女の子達はざわついていた。

