「いいか?唯那は誰がなんと言おうと俺の婚約者だ。よく覚えとけ。」
今までなら思いっきり否定してた。
私はあなたの婚約者だなんて認めないって。
でも、何故か今回はいつもみたいに否定をすることが出来なかった。
西園寺の目は私を捉えて離さなかったから。
西園寺の言葉がいつもと違って重かったから。
何で、西園寺はここまで私を婚約者にすることにこだわるのだろう。
この指輪は婚約者に渡すものだということが西園寺のしきたりだということは西園寺から聞いてきた。
でも、そんな真剣になってしきたりを守ろうとする理由が分からない。

