「あ、でも私は……試合とかあんまり出てなかったし」
「でもそんなところで一緒に練習してたなんてすごいよ」
「そうかな」
自分と切り離したいバスケの話はどうしても出て来てしまう。
でも、それもきっと最初だけだ。
高校生になったら授業の後に寄り道だって出来るし、携帯も学校に持っていける。
部活がなければ友達とたくさん遊べるんだよ。
周りはみんなしゃべりやすい人達でこれからの学校生活が楽しみになった。
するとガラガラ、と音を立てて教室のドアが開いた。
教室に入って来たのは40代くらいの男の人で、体格がよく表情は少し厳しそうな感じの人だった。
「これからHRを始める」
教卓に出席簿を置いて、チョークを持ち名前を黒板に書いていく。
するとその人は言った。


