「私のお陰?」


泉ちゃんを見ると彼女は楽しそうに話し出した。


「そりゃあ〜中学からやってたからっていうのもあるよ?

だけど中学の頃は月1回しか活動なかったし……

高校の料理部は週4で活動があるじゃない?

たぶん普通の私だったらそんなにたくさん活動あるなんて耐えられないもん。

きっと何か別の部活にするか帰宅部にしてると思う」


腕を組みながら考える仕草をする泉ちゃん。

ぱち、っと目が合うときらきらした眼差しで私に言う。


「だけどさ、中学の頃の沙奈見ててさ……全力でまっすぐでひとつのことを一生懸命やるのっていいなって思ったの。

私も何か全力でやりたいなって……

だから好きな料理を、活動多くても頑張ろうって思えたんだ」


知らなかった……。

泉ちゃんがそんなこと思っていたなんて。

がむしゃらにやっていた時は周りなんてみる余裕なくて、まさか自分が誰かに影響を与えていたなんて思いもしなかった。