高鳴る鼓動は

そのせいだって言いわけするのが一番簡単だった。



そして、その日の放課後。


私は午後の光景を忘れさせるかのように、バイトの求人広告を手にとった。


バスケはもうしない。
もう頑張らない。


そう決めたんだ。



ーーダム、ダム、ダム
ーーキュ、キュ。


それなのに。


いつまでもその音が耳にこびりついて離れなかったーー。