ピ――!



【94ー80】




終わった……。

会場は静まりかえっていた。


頑張った。
だけど、時間が足りなかった。


男子。
インターハイ出場ならず、敗退。


陽介の引退が決まった。


陽介が涙を流しながら礼をする。


会場からは拍手が送られた。



私の目からも涙が溢れ落ちた。


誰もがそこに行けるわけじゃない。


頑張っても、努力が報われるとは限らないんだ。

私たちはそんな厳しい中に立っている。


ぎゅうと締めつけられる気持ちになりながらも、しっかりと彼の姿を目に焼きつけた。


「陽介……」


流れる涙を拭い私は会場を後にした。


それから女子は自由解散になった。

男子も30分のミィーティングを終えると、ぞろぞろと揃って帰っていく。