机を泉ちゃんと向かい合わせにすると、他の子も集まって来て、私たちは一緒にご飯を食べた。
まだ慣れない場所にお母さんの作ってくれたお弁当の味はすごく安心する。
「高校の授業って、数学とかも出来る人と出来ない人と別れてやったりするらしいよ。私、ついていけるか心配だよ~」
髪をふたつに束ねている純ちゃんが言った。
「私も~中学の時から勉強は全然だったし……」
正直勉強は自信ない……。
すると、私の言葉に泉ちゃんは言った。
「それは沙奈部活もやってたからじゃん!大変だよね、練習もほとんど休みないのに勉強もしなくちゃなんて」
「うん、ちょっとキツかったかな……」
「やっぱり強豪校のバスケ部は大変なんだ~」
色白でストレート髪の奈々ちゃんも合わせて言ってくる。
「まぁ、高校では時間作れると思うけどね……」
「えっ、バスケしないんだ!?」
純ちゃんの驚いたような眼差しから目を逸らすように私は言った。
「うん、もういいかなって」
「そっかぁ」
みんなそれ以上深くは聞いて来なかった。


