リトライ。




『プレッシャー、すげぇの』

『こんなもんじゃダメだ』


プレッシャーに、もっと強くいなくてはならないという気持ち。

その重さが体にぐっとのし掛かる。


重たいもの、全部一人で背負って出てきた反動が今になって来ている。


「あの4番強えーじゃねぇの?」

「ベンチじゃん。全然ダメだな」


「どうせあれだろ?自分の力に慢心してたんだろ?」



陽介を見て、ベンチにいる周りの観客が口々にそんな言葉をこぼしていく。



違うのに。


陽介はいつだって慢心なんかしなかった。


強くてももっと上をって誰よりも練習する人だった。


ねぇ、そうでしょ陽介……。

お願い。

前を向いて。


負けたらこのまま引退しちゃうんだよ。

3年間が終わっちゃうんだよ。


全国1位取るんだって、笑顔で言ってたじゃん。