ピーーー!


試合終了の笛が虚しく鳴り響く。
向かいにある試合の得点板の数字をぼーっと見つめて私は思った。


ああ、負けたんだ、と。


【94対63】


この試合が私の中学最後の引退試合となった。


試合に出て、戦い悔し涙を流す仲間と自分を見比べてずいぶん違う姿をしていることに嘲笑う。


私は今、汗をかいてない。
息も切らしてない。


ただベンチに座っていただけ。
その時私は誓った。


もう二度とバスケはしないとーー。