とても照れくさかったけれど、
思えば中学の頃は応援に来てくれていても、
自分が活躍したところを見せられたことは一度もなかった。
いつも後ろめたい気持ちが強くて、
どうせ出れないんだから応援なんか来なくていいのに
なんてつぶやいて悲しませることも多かった。
でも、見せられた。
初めて親に今までの努力を見せることが出来た。
やっていて、良かった……。
「今日の夜ご飯は沙奈が食べたいもの作って待ってるね」
「うん」
お母さんはコーチに挨拶をして差し入れをしてから帰っていった。
その後。
私たちは更衣室で着替えを済ませると、同じ場所に集合した。
反省会を終え、会場を後にする。
その時、ポケットの中でスマホが震えた。
開いて見てみると、陽介の文字が。
【陽介:男子1回戦突破!】
そっか……男子も勝ったんだ!


