リトライ。






ピッ、ピーー!


終わった……。


整列をする。


相手チームと向き合った時、

相手の選手が涙を流しているのを見て、私の心はぎゅうっと締め付けられた。


彼女たちの夏が終わった。


どちらかしか次に進めない。

厳しい戦いの中で、私たちは勝負している。


「気をつけ、礼」

「ありがとうございました」


私はしっかりと頭を下げた。

負けたチームの分まで背負い、次のステージに進むんだ。



試合が終わった後。

ベンチから撤退すると、お母さんが私のもとにかけつけて来た。


「沙奈、ナイスシュートだったね!」

「へへっ、ありがとう」


お母さんの声が無かったら、

私はあのまま負の連鎖に飲み込まれていたかもしれない。


まだまだ自分が弱いと悟った。

でも親に自分の活躍を見てもらえたのは嬉しかったな……。