認めていても、彼を超えられない悔しさがないわけじゃないんだ。 「陽介……」 先を行く彼の背中はやっぱり遠い。 手を伸ばしても、追いつかないと思ってしまう。 陽介の隣に、並びたい。 純粋な想いを掲げても、桜のように散っていくこともある。 6月下旬。 夏に向かう温かな風は私の身体には馴染まなかったーー。